Office 2010 を日本語から英語に変更する方法

ボリューム ライセンス版の Office 2010 日本語版を英語化する上では、ライセンスについていくつか注意点があります。なかなか難しいので、まとめたいと思います。
※ この情報は 2017 年 6 月に Microsoft へ問い合わせて確認した内容を基にしています。

VL 版の Office 2010 日本語版を英語化する方法 3 パターン

Office 2010 日本語版を英語化 (インターフェイスの英語表示) するためには、以下の 3 パターンがあります。Office を英語化するということでは、どちらの方法を取っても同じ結果を得ることができます。

  1. VLSC (Volume License Service Center) から Multilanguage Pack をダウンロードし、インストールする
  2. Office 言語アクセサリ パック のページから、英語の言語アクセサリ パックをダウンロードし、インストールする
  3. 日本語版をアンインストールして、VLSC から英語版をダウンロードし、インストールする

パターン 1: VLSC の Multilanguage Pack をインストールする

VLSC では、Multilanguage Pack を入手できますので、こちらをダウンロードして、日本語版の Office 2010 に適用することで、Office 2010 のインターフェイスを英語化できます。

ただし、Multilanguage Pack を利用するには、Office 2010 を SA (Software Assurance) 付きで購入している必要があります。SA 無しで Office 2010 を購入していた場合、Multilanguage Pack を適用するのは、ライセンス上 NG です。SA を付けて購入した場合は、SA に 移行権 として Multilanguage Pack を追加する権利があります。

2017 年 6 月現在、VL 版 Office 2010 を購入することはできませんので、その場合は、Office 2016 を購入してダウングレードすることになります。

なお、FPP (パッケージ) 版や OEM 版の Office 2010 を導入されている方については、過去に言語パックが販売されていましたが、現在は販売終了しているため購入できません。

パターン 2: Web で公開されている言語アクセサリ パックをインストールする

Office 言語アクセサリ パック のページでは、Office 2016 だけではなく、Office 2013 や Office 2010 の言語アクセサリ パックをダウンロードすることができます。
ただ、Web ページに以下のように記述されています。

Microsoft Office 2016 のボリューム ライセンス版を使用している場合は、ボリューム ライセンス サービス センター (VLSC) から言語パックの ISO イメージ、言語インターフェイス パック、校正ツールをダウンロードできます。詳細については、管理者にお問い合わせください。

この文章を見る限り、2 通りに解釈できてしまい、判然としません。

  • VL 版の利用者は、VLSC の Multilanguage Pack を使わなければならない
  • VL 版の利用者用に VLSC でも公開されているが、どちらを使っても良い

この点を Microsoft に確認したところ、「ダウンロード前、もしくはインストール前に表示されるライセンス条項を確認し、VL 版での利用を禁止していなければ、ライセンス上は利用可能。あとは実際にインストールに成功するようであれば利用 OK」という回答でしたので、ライセンス条項を見てみることにします。

ちなみに、ライセンス条項の全文は、Office 2010 言語アクセサリパック ライセンス条項 に記載しています。

こちらを見る限り、言語および言語パックについては以下のように記載されています。

3. ADDITIONAL LICENSING REQUIREMENTS AND/OR USE RIGHTS.

g. Language Version Selection. If you are provided with a one-time selection between language versions, without a language pack or LIP, you may use only the one language version you select. If you were not provided with a language selection, the language version will default to the language of your operating system or, if your operating system language is not available, to another available language. If you are provided with a language pack or LIP, your use of language versions is not limited. A “LIP” is a Language Interface Pack. Language packs and LIPs offer additional language version support of the software. The language packs and LIPs are a part of the software, and may not be used separately.

「言語パックとは」のようなことは書かれていますが、VL 版での利用 NG とは記載されていません。引用した以外の部分を読んでみても、VL 版について制限するような記載はありません。

ちなみに、VLSC でダウンロードできる MultiLanguage Pack をインストールする場合に表示されるライセンス条項もまったく同じ文章でした。

どうやら、この方法でインストールするのは OK のようです。

パターン 3: 英語版に入れ替える

他言語版に入れ替えるためには、クロスランゲージ権 について知る必要があります。
Microsoft Software Cross Language Rights (PDF)

あるソフトウェアのライセンスを取得しているお客様は、使用を希望する言語版の価格が既に取得した製品の言語版の価格よりも低い場合、追加費用なしで同製品の他の言語版を使用することができます。

VL 版の購入形態のなかでも条件が限られてはいますが、Open License や Select License で Office 2010 を購入した場合には、購入した製品の価格よりも安価な言語の製品へと入れ替えることができます。SA などは不要です。つまり以下のようになります。

  • 購入した言語版の価格 ≧ 利用したい言語版の価格 → 入れ替え可
  • 購入した言語版の価格 < 利用したい言語版の価格 → 入れ替え不可

ここでいう価格とは、推定小売価格のことです。また比較するのは購入時点の価格です。購入後に価格改定などで金額が逆転したとしても、購入時点の価格で利用可否が決まります。

購入当時の価格を確認するためには、販売代理店へ問い合わせる必要があります。

ちなみに、2012 年 1 月時点では、日本語版価格 < 英語版価格 でしたので、当時日本語版を購入した方が英語版へ入れ替えることは NG です。

まとめ

  • 日本語版を英語化したい場合は、Web からダウンロードして適用できそう
  • VLSC で Multilanguage Pack や他言語版を入手できるが、利用条件に注意が必要
  • ライセンス周りはややこしい (ので、Microsoft と販売代理店に聞くのが無難)

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